20181115の日記 書店の売り場が好きって話

 今日は仕事終わりにアニメイトと旧勤め先の書店に寄って20時前に帰宅。

 

特段何か買おうと思って行ったわけではなく、ふらっと見て回って退店。

前職に就いて良かったなと思うことの一つに小売、特に書店の売り場を見る目が養われたことがあります。

本って日本全国どこでも同じものを同じ値段で売ってるんですよね。だから売上を伸ばそうと店舗レベルでできることって、大きく見ると発注と陳列ぐらいしかないんです。

(他にもあるぞって言いたい人もいると思いますがここではこれでご容赦を)

 

発注については言わずもがな、需要に対しての供給を切らさないこと。特に目的を持って来店してるお客さんを、目的を達成できずに返してしまうのは、店にとってその日の売上にも、将来の売上に対しても損失ですもんね。

 

そして陳列。

目的を持って来店してるお客さんが目的のものを見つけやすくするのは大前提ですね。

その上で、私みたいに特に目的もなく来店した客や、目的のものを手にしたお客さんが、売り場で新たに興味を持って、それが購入動機につながるような売り場がより良い売り場だと思うんです。いわゆるついで買いですね。店にとっては客単価アップで売上につながりますし、お客さんにとっても新たな発見を得ることができて店への満足感につながります。現場の書店員にとってはこれがやりがいの人は多いんじゃないかなあと思います。

このついで買いを促すような売り場を自分が書店員の時はなかなか作れなかったんですよ。余裕がなかった。最低限チャンスロスがないような売り場を作るので精一杯で、マイナスをつくらないようにはできてもプラスを生み出せなかった。この点には当時真剣に取り組んでたつもりなので、他のチェーン、特に「王者」紀伊国屋さんやアニメイト等の専門書店で上手な売り場を見ると、こういうのが作りたかったんだよなあって思うんですね。

大掛かりなものからちょっとしたものまで、書店の売り場は様々な工夫があります。出版社や取次も含めてどうにかしてお客さんに興味を持ってもらおうとしています。価格競争がない業界だけに、特に力を入れていると思います。そういう試みを楽しみ続けたいから、リアルの書店にはこれからも頑張ってほしいんです。

 

なぜ突然こういうことを書こうと思ったのかというと、先月前職の会社の社長が急に亡くなって、お別れの会が近々あるんですね。その時までに、少しでも書店員当時のことを頭の中で整理しておきたいなと。

好きな会社ではあったんですよね。楽しいこともたくさんあったんですよね。でもそれだけじゃうまくいかない。いろんなことを学びました。